魚飼育における濾過機の重要性

水槽や池で魚を飼育する際には、水質を管理することが非常に重要です。特に大きな魚や食欲旺盛なグッピーやプラティを飼育する場合、効果的な濾過システムは欠かせません。この記事では、魚飼育における濾過機の役割と、どのような濾過機が適しているかについて詳しく解説します。

濾過機とは?
濾過機は、魚の排泄物、食べ残し、その他の有機物を含む水中の不純物を取り除くために使用される装置です。濾過機が設置されていない場合、食べ残しや排泄物が水槽内に蓄積します。これにより、下記のように水質が悪化します。

①アンモニアの蓄積: 魚の排泄物や食べ残しは、分解される際にアンモニアを生成します。アンモニアは魚にとって非常に有毒で、高濃度になると魚の健康に深刻な影響を及ぼします。

②亜硝酸と硝酸の増加: アンモニアはバクテリアによって亜硝酸に変換され、さらに硝酸に変換されます。これらも高濃度になると魚に有害です。

③酸素の減少: 有機物の分解過程では酸素が消費されるため、水中の溶存酸素量が低下します。これは魚にとって必要な酸素が不足することを意味し、呼吸困難を引き起こす可能性があります。

④pHの変動: 分解過程で発生する化学物質は水のpHを変化させることがあります。pHの急激な変化は魚にストレスを与え、健康を害することがあります。

⑤病原菌と藻類の増加: 悪化した水質は、病原菌や有害な藻類の増殖に適した環境を提供します。これにより、魚が病気にかかりやすくなるだけでなく、水槽や池の美観も損なわれます。

なので水質を維持することは、魚にとって健康的な環境を維持することになります。

水質維持には濾過機を設置するか、水を交換するかになりますが、肉食魚などタンパク質の多い餌を好む魚の水槽の水が悪化するスピードはとても速いです。

水質を維持するには頻繁に水替えを行う必要がありますが、結構しんどい作業になります。

なので濾過機を使います。

濾過機は市販されているものも含め様々なものがありますが、基本的な構造は同じで3つの層で構成されています。
物理濾過: 大きな粒子をフィルターや綿などを使って物理的に取り除く層
生物学的濾過: 細菌を利用してアンモニアや亜硝酸などの有害物質を変換する層
化学的濾過: 活性炭などを使用して、水中の化学物質や色、匂いを吸着したり除去する層
これら3つの機能をもった濾過機を使います。
また濾過機は濾過する水の量 (水槽の大きさ)に合ったものを選ぶ必要があります。
水の量に対して濾過機が小さいと設置している意味がなくなってきます。
逆に大きすぎると、濾過機のポンプが水を吸い込む量やその速度が魚に合わなくストレスになったり、ポンプのおとがうるさかったり、濾過機のメンテンナンスが重労働になったりします。


濾過機は定期的に清掃し、必要に応じて部品を交換するメンテナンスを行う必要があります。
基本的には物理濾過層のフィルターの清掃や交換、生物学的濾材にもよごれが蓄積するのでその除去が主なメンテナンスになります。
その際、注意するのが“濾過機の中のモノを洗う水はカルキ抜きした水を使う”です。
そうしないとせっかく住み着いて水をキレイにする細菌などが死んでしまいます。
なので濾過機のメンテナンスを行う際は、大量のカルキ抜きした水を用意しましょう。
また、期間が長くなれば、物理濾過槽のフィルターや綿もボロボロになるので交換したり、水をくみ上げるポンプの部品も交換の必要が出てきます。
そういったタイミングで濾過の濾材を見直したり、濾過機の大きさを再検討してみるのもありでしょう。

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