野菜と肥料

野菜も土から栄養分を取り込んで成長していきます。

野菜は種から発芽して成長しますが、発芽は種の中に貯めたデンプンを使い行います。

このデンプンは子葉 (発芽後一番初めに出てくる葉)にも蓄えられており、本葉 (光合成を本格的に行う葉)が出てくるまで子葉の栄養で生育します。

本葉が出てきた後は光合成を行ない、根から栄養を吸収して成長していきます。

これが栄養成長と呼ばれるものです。

成長に必要な栄養は細かく見れば野菜の種類によって異なりますが、基本的共通して必要なものが5つあります。

これが5大栄養素と呼ばれるもので、下のものになります。

各々の栄養には葉の形成や光合成に使うクロロフィルを作るなど役割があります。

さらに、この5大栄養素以外にも微量元素と呼ばれるものが成長には必要になります。

この微量元素は多くの種類があり、必要な種類、量は育てる野菜により異なります。

代表的で共通性の高い微量元素を示しました。

これら5大栄養素と微量元素が少ないまたは欠乏すると、何かしらの生理障害を引き起こします。

葉物野菜ではカルシウムやホウ素が欠乏すると葉の先が枯れるチップバーンと呼ばれる生理障害を引き起こします。

なので、農業においては植える前の土づくりや追肥のタイミングが重要となるわけです。

水耕栽培では上記の肥料を液体の形で与え、定期的にその養液を交換したり追加することで適正は濃度に保つことができます。

水耕栽培を行うアクアポニックスでは魚から窒素が供給されますが、他の栄養は追加してやる必要があります。

この追加も単に追加すれば良いわけではなく、魚の飼育水に含まれるアンモニア態窒素と硝酸態窒素の量を考慮して追加しないと正常な生育をしなくなります。

さらに、魚の排泄物に含まれるアンモニアから硝酸になるまでに出てくる亜硝酸は、アンモニア態窒素と硝酸態窒素と同じく窒素が付いていますが、野菜は亜硝酸態窒素の窒素を栄養として利用できません。

たちが悪いことに、この亜硝酸はガスとして野菜に吸収され、細胞内で連続的に酸化されることにより葉の白化 (クロロシス)を引き起こします。

なので、魚の飼育水を利用する際は亜硝酸態窒素が少なく、硝酸態窒素が多い状態にしたものを利用する必要があります。

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