カルキ除去

魚を飼育する上で最も重要なのが「水」です。井戸水や川の水を簡単に使える環境なら大した問題ではないですが、多くは水道水を使用すると思います。
水道水を魚の水槽に使用する場合、まずは水道水から塩素を除去する必要があります。これには、市販の水質調整剤を使用するのが一般的です。これらの調整剤は、塩素やクロラミンを中和し、魚に安全な水を作ります。さらに、pH値や硬度も魚種によって異なるため、種ごとの要求に合わせて調整することが重要となります。

市販のカルキ抜きには、ビタミンなど魚の成長をサポートするものが入っている商品もありますが価格が高くなります。安いものだと透明の結晶のハイポと呼ばれるものが一番ポピュラーです。水道水10Lに1粒といった表記が多いですが、結晶の大きさもマチマチです。また、水道水10Lに1粒という量は過剰な量です。ハイポはチオ硫酸ナトリウムという物質で

Na2​S2​O3​+4Cl2​+5H2​O→2NaHSO4​+8HCl

この反応により塩素を無毒化するものですが、魚にまったく無害かというとそうではなく少なからず影響があります。特に反応して作られるHClは酸性を示すので、過剰になると水が酸性に傾きます。なので、水道水に含まれている塩素の量に合わせてハイポの量を調整するのが良いのですが、水道水の塩素を測って、結晶の砕いて重さ測って とするのは手間です。そこでおすすめが、水に予めハイポを溶かしハイポ液を作り、それを測って使うという方法です。

水道水には最低でも0.1mg/Lの塩素が含まれているので、10Lの水道水をカルキ抜きしようとすると0.2gのハイポが必要です。ハイポ1粒は1gほどで、実際の必要量より多くなっています(これは、水道水に含まれる塩素の量が地域によって大きく違うのと、ハイポの結晶の大きさ揃えられないからカルキを抜く保証をしようとすると使う量が多くする必要があるからだと思います。)。0.2gで10Lなのでハイポ20gを1000mL溶かした液を使えば、水道水10Lに100mL入れればいいことになります (厳密には違います)。ハイポは水に溶けやすので、100gを500mLに溶かせば水道水10Lを10mLでカルキ抜きできます。10mLはペットボトルの蓋で2杯分です。このようにすればかなりカルキ抜きが楽になります。また、ハイポは多少多くなっても影響が小さいので、そこまで厳密に測り取ってやる必要もないです。

ハイポでは追いつかない量を使う場合は、酸素除去のフィルターをお勧めします。

写真のような容器を使います。これはアマゾンとかで「フィルターハウジング」と検索すると出てきます。サイズがイロイロあり、写真は20インチで大きいほうだと思います。この中にフィルターを入れて使用します。写真のものは連結させていますが、上の黒い部分にネジ口があります。ここにフィルターハウジング連結さあせる「ニップルパイプ継手」やホースをつなげる「オスねじ付き蛇口コネクタ」を付けるのですが、ネジのサイズが2種類あります。NPT1/2とNPT3/4があるので注意が必要です。

中に使うフィルターもイロイロありますが、とりあえずフィルターハウジングのサイズに合ったものが必要です。私が実際に使っているのは、水道水のゴミを除去するウールフィルターと塩素を除去する活性炭フィルターです。

私はウール1個に活性炭4個を連結させています。写真の活性炭は流速0.4L/分が規格になっているので、ホースつないで水を出しっぱなしで使っています。活性炭は100tの水道水を濾過で使えます。

このような塩素を除去するDIY浄水器はネットにイロイロ出ているの参考にしてみてください。もちろん市販されているものもありますが、本体も消耗品もかなり高額なので作ったほうがかなりお得です。

また、車の洗車用に純水を作る浄水器もありますが、あれらの中には不純物は除去できても塩素は除去できないものがほとんどなので注意してください。

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